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インストゥルメンタル

先日発売されたKompendiumのアルバム、Beneath The Wavesですが、ダウンロード版が Bandcamp で購入可能になったのに加え、Instrumental版(要するにカラオケですが)のダウンロード販売が開始されました。 ダウンロード版は特に面白い話題でもないので置いておきますが、インストの方は気になります。 元のヴォーカルが凄いのでカラオケで歌ってみようという人がどれだけいるのかはわかりませんが、試聴できる二曲を聴いた感じ、期待通りヴォーカル入りでは聞き取りにくかった細かな部分が聞き取りやすくなっており、アレンジの研究などに使えるのではないかと。というか自分がまさにその目的で聴いているところですが。 そのうち購入もしたいなと思ってます。 しかし、何より試聴の曲目が"Lost"に"Alone"と一曲で泣けるところを押さえてきてる辺りが良いです。 まあ両方ともヴォーカルが大きな魅力なので、インスト版を曲の紹介として利用できるかは微妙なところですが。 ちなみに通常のアルバムの方は"Exordium""Mercy Of The Sea""Beneath The Waves"の三曲で、こちらはアルバムの主要な曲をピックアップした感じでしょうか。 うち二曲はビデオが公開されていますが、"Mercy Of The Sea"は前後がカットされていましたし、"Exordium"がフルで自由に試聴できるようになったのは人に勧める上で結構大きい気がします。

Vintergatan

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今日になって知ったのですが、来年デビュー予定のスウェーデンのバンド、 Vintergatan が動画を公開し、そこそこ注目を集めているようです。 バンドとはいうものの、今回発表された楽曲を聴く限りではロック的な要素は薄く、ドラムンベース、エレクトロニカ的な印象を強く感じます。 動画内で演奏が確認できる楽器でロック的なのはドラムくらいで、他にはパンチカード式のミュージックボックス、グロッケンシュピール、アコーディオン、スネアドラムに数種類のシンセサイザー、というところ。 更に動画では様々なシンセサイザーやサンプラー、打楽器、トイピアノ、ヴァイオリンやリュート、グランドピアノにエレキギターなどの存在も確認でき、これらが全て実際に使用されるとすればアルバムはかなりカラフルな内容になりそうです。 これら楽器の選択はどちらかというとロックバンドというよりは所謂シネマティック系統の音使い、あるいはSigur Rosの血統とも言えるかも知れません。 楽曲に関しては本当に素晴らしく、自分が日頃から作りたいと思っている曲調を凄くハイレベルでやられてしまった感じで、ちょっと妬ましくもあったり。 ロマンティックなミュージックボックスのテーマに激しいリズムが重なり、叙情的に展開していく曲調は、切り絵で作られた絵本風なPVの作りとあわせて日本の若年層……はっきり言えばニコニコ動画でVOCALOID曲とかを聴いている人たちにも受けそうな気がします。 この曲とずらりと並んだ楽器群から想像するに、色々な音色を用いた情景的な演出が得意と思われ、そうだとしたら大好きなタイプです。 早速来年の楽しみが出来たというところでしょうか。

Kompendium - Beneath The Waves

さて、アルバムは無事11/20に届いたのですが、その後一週間も経ってしまいました。 その間何をやっていたかと言いますと、それはもう、本作を聴いていました。通常の生活サイクル意外に他の事をしていた記憶がありません。 言い換えれば、そこまではまり込むほどの作品だと言えるでしょう。個人的には、アルバムを二週続けてフルで聴くというのはあまり経験した事のない行為です。 実際にCDを手にして真っ先に感じたのがそのパッケージングの凄さでした。 7インチ・ゲートフォールド・スリーヴの存在感はかなり強烈で、これを作るために一ヶ月近く発売が延期したと言われたら納得せざるを得ない気がしました。 中を見るとアルバムのストーリーのベースとなる文章が記されており、まずはこれを見て、歌詞を見ながら聴く事がアルバムをしっかり味わうためには必要になります。 作品の内容ですが、一言で言うならケルトとオーケストラを取り込んだシンフォニック・ロック。ミュージカル的な要素もあり。 ヴォーカリストは8人(加えて3組)、ギタリストは9人(Robを含めると10人)という豪華な編成で制作されていますが、キーボードとベースはRob本人が一手に担っているため、そこは彼のプロジェクトとしては豪華でも何でもなかったりします。とはいえ演奏自体は流石の内容ですが。 更に、事前情報では公表されていなかった管楽器およびソロ弦楽器奏者も参加。オーボエやフレンチホルンといった悲しげな演出を得意とする楽器が随所で用いられ、印象的な効果を上げています。 そして、中でも目を引くのが2曲を除いて全ての曲でヴォーカルを取るSteve Balsamo。 単に歌唱力が優れているのみならず、語り部としての圧倒的な説得力、存在感が作品全体に力を与えていると思います。それは容易に今年のベスト・シンガーになり得ると思っていた予想すら上回るものでした。 もう一人の主役、Angharad Brinnの声は、MagentaのChristinaと比べると清楚で透明感のあるものですが、低いトーンで歌うところではChristinaのように聞こえる瞬間もあり、 この表現がRobの指向なのかな、とも感じます。 勿論、ギタリストも各々個性のある演奏を見せ、音楽に華を添えています。 Magentaと比べてどうなのかという話ですが、Magenta

ついに!

待ちに待ったKompendiumのアルバム、Beneath The Wavesが全ての予約に対して発送完了したとの報告が公式にありました。 うちの予約はもし火曜日に発送されていたとしてもまだ届いてない可能性が高いので、結局一次出荷に含めて貰えたかどうかは現在わかりませんが、どちらにしろあと一週間以内にはCDを手にする事が出来そうです。 このブログでの話題も一通り聴いた後に感想を書いて終わりかな。 二度目の延期の時は、もしもこれが知ったミュージシャンのプロジェクトでなく、PVやラジオで曲が先行公開されていなかったら詐欺に引っ掛かったと思っていたかも知れないくらい絶望しましたが(誇張有り)、それももう終わりという事です。 当然、もうMagentaを聴き漁って慰める必要もないのですね。 もうすぐ聴ける事が確定したので先行音源を聴くのもやめてCDに備えようかと。 (前回はそれをやって肩すかしを食らったのですが) さて、もしも届くまでまだ日数があったら次回のポストはTPTになると思います。

そうか、

この時期はDAWソフトの新バージョンが発表される時期でしたね。 ということで、 Steinberg から Cubase7 が発表されたようです。 先行した Sonar X2 は特に使い勝手の面で正当強化が施された印象でしたが、こちらは基本は同様ですが一つ大胆な機能を搭載してきました。 それがコードトラックとそれに伴う一連のハーモニー制御機能、ということで制作中に考え込む要素が一つ少なくなる、なかなかいい機能ではないでしょうか。 個人的に魅力を感じたのは"Hermode"技術です。平均率との互換性を保ったまま3/5/7度の和声的に重要な音程を調節する技術だそうで、その記述から読み取れる通りの働きをするとすれば非常に有益な新機能だと思います。 Sonar X3に期待。 これだけとってもCubaseを採用する決定的な理由の一つになり得るのではないでしょうか。 それと、実に地味ですがASIOガードなる技術も嬉しいところかも知れません。 他の部分はどちらかというとライバルのSonar対抗という感じでしょうか。 スクリーンショットを見て思ったのですが、昔は見た目の面ではCubaseがSonarをはるか引き離していた感があったのですが、Sonar Xシリーズ以降むしろ立場が逆転している感じがします。 Pro Channelを意識したと思われるミキサーのインターフェイスも若干垢抜けないような。 とはいえ、別に欠点になるほどの事でもなく、特にソフト音源中心の制作に向いた機能の数々やVocaloiod Editorが使えるという面を見ても、最近のミュージシャンに魅力の多い選択肢なのではないかと。 ところでKompendiumのアルバムは少数が早期に予約された海外からのオーダーに対して発送されたという事で、既に入手報告がある模様です。 本格的な出荷は金曜日になるそうです。 僕のオーダーが「少数」に入っている事を祈りつつ。

Kompendium「最後の報告」

発売したのに届かないと言っていたKompendiumのアルバム"Beneath The Waves"について、ようやく 情報が更新 されました(今度こそこれで最後、とのこと)。 長くなるので要点を抜粋すると、CDについて製造上の問題で求められるパッケージングの品質を満たせていなかった、そのため発売予定日の発送を諦めてでも生産をやり直すしかなかったと。 そして、いつ届ける事が出来るかは出来るだけ早く知らせたい、との事です。 とりあえず確かなのは、現時点で製品は発送可能な状態になく、当然待っていても届く事はない事、これから準備が整い次第の発送になるため日本に到着するのは更に後になりそう、という事です。 予約だから早めに入手できると思っていたので少し残念ですが。 この件は単純に暫く手に入らないのが残念という事もありますし、今まで状況がわからなかったのはよくなかったと思うのですが(予定通りの発送が出来ていない、くらいの報告はあってもよかったのでは)、決断そのものに関しては指示したいと思います。 多くの豪華ゲストにて4年をかけて作られた作品なのですから、品質に妥協して届けたくないというのは理解できますし、こちらとしてもそんな状態では期待はずれになってしまいますから。 とにかく状況がわかっただけでも大きいですから、今は改めて首を長くして発送を待ちたいと思います。 また、アナログ版の方は満足のいく品質で完成し、もう出荷されているとのことで、その辺について聞かれなかったのはやはりCD/DVD版で購入した人が圧倒的に多かったという事なのだと思います。

届かない

11月2日に発売を迎えたはずの Kompendium のアルバムですが、現在のところ届く様子はありません。 発送が発売日になったために日本に届くのに時間がかかっているのかとも思いましたが、英国内でも届かないという声を目にするため、どうやら発送作業自体が遅れている模様ですが、公式のFacebookやTwitterでも特にアナウンスはなく、サイトも更新されていないので状況は不明です。 とりあえず、本国で入手報告が出る前に日本に届く可能性はほぼ無いでしょうから、ここは気長に待ちたいですね。 作品はとても楽しみなのですが、発売延期に続いてのトラブルは残念です。 とにかく何かしらの情報だけでも欲しいところですが。

Beneath The Waves

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さて、 Kompendium のアルバム発売前最後となるビデオ、タイトル曲"Beneath The Waves"が公開されていました。 現時点で公式のFacebookやTwitterで報告がされていないので、YouTubeのチャンネルから直接見付ける事になりました。 これはNick Beggsがスティックで参加している曲で、確かKompendiumの最初に報告された動画(そして情報)にて演奏されていた曲だったと思います。 曲としては前の二曲と比べると情景音楽的な色合いが強く、歌のメロディそのものに大した主張がなく淡々と進むので地味に感じられるのですが、本作の特徴であるケルト風のテクスチャ、Neil TaylorのギターやMel Collinsのソプラノサックスといった器楽、Synergy VocalsやChristinaのバッキング・ヴォーカル、そしてNeck BeggsとGavin Harrisonの生み出すグルーヴが印象的に重なり、得も言われぬ雰囲気を醸し出しています。 物語を奏でるアルバムの中にあって場面音楽として最大の魅力を放つであろう事は想像に難くないでしょう。 映像自体もドラマを感じさせます。 水中のシーンは実写が難しいのでCGにした感がありますが気にしない方が良いでしょう。

Mangeta - Chameleon

という事で、今更ながら Magenta の前作です。 本作の制作に当たってRob Reedは二つのタイプの作風、すなわち"Seven"のようなメロディックでシンフォニックな作風と"Metamorphosis"のようなハードで現代的な作風、の選択を求められたとしています。 結果として両者を合わせた大量のマテリアルが生まれ、そのうち後者の作風を取って結実させたのが本作"Chameleon"である……との説明が為されていたと思います。 今にして思うと前者は Kompendium としてより大きなプロジェクトで進行していたため後者を優先した、と考えられなくもないですが、穿ちすぎでしょうか。 それはともあれ、本作はその通り"Metamorphosis"に近いハードな音で仕上げられています。 が、ひとつ大きな差異があり、それは楽曲が格段にコンパクトでポップになった事です。 最も長い曲で9分強というのはこれまでのMagentaの作品では最短であり、多くの曲は5分前後で構成的にもわかりやすくなっています。 だからといって作風が殺されたかと言えば勿論そんな事はなく、特徴的なメロディやコード進行、ギターやキーボードの演奏、何よりヴォーカルにMagentaの特徴はしっかりと生きております。

あらら……

先程メールチェックをしていたところ、 Kompendium のアルバムは製造の遅れにおり発売が11月2日に延期となったとの連絡がありました。  残念ですが、なってしまったものは仕方がないので大人しく月が変わるのを待ちたいと思います。 それまでに新しいビデオも控えていますが、既に待ち遠しいの極致なのでちょっと辛いですね。 問題は日本に届くのが発売日より遅れるのではないかという可能性ですが、前にMagentaを買ったときは当日に届いたので大丈夫……と言いたいところですが、今回はこういう事情での遅れなのでどうなるでしょう。 とまあKompendiumの事を書いていてふと気付いたのですが、 Magenta の前作の感想をまだ書いてないような気がします。 時間的猶予も出来た事ですし、Kompendium発売までに書いておこうかと思います。

そしてネットラジオ

 発売まであと一週間、 The European Perspective にて Kompendiumスペシャル が配信されています。 内容としては最初の 広告ムービー の音声から始まり、一曲目"Exordium"をフル(と思われる)バージョンで聴けます。 そこからはRob Reedのインタビューですね。 Exordiumはこれだけ聴くとプレグレ、ロックというよりはいわゆるケルトミュージックという印象。 波の音、海鳥の鳴き声をバックに語りが入り、続いてホイッスルが提示するテーマが様々にリプライズされる構成。最初のテーマから続くソプラノサックスのメロディが切なくて、この時点で胸が締め付けられそうです。 その後ストリングスが入り一気に盛り上がるのですが、おそらく本作を気に入る人はこの時点でもう陥落すること間違いないのでは。 更に女性オペラ歌唱が入ったり締めはすっと静かになったりするのですが、全体に「MagentaのRob Reed」の印象はしっかり残っていますが、それを超えて普遍的な「名曲」のオーラさえ感じます。 そして、このテーマがアルバム全体を貫くメインテーマとなっているようです。 インタビューに挟んで他の曲も聴く事が出来ますが、これで満足してアルバムを買わなくなるような人は端から対象外でしょうから問題はないものと思われます。 何しろ二時間もあり現時点では試聴途中なので、全部で何曲流れるかはカウントできませんし、どれがどの曲かもはっきりと断定できませんが。 追記:聴けたのはExordium、不明(Synergy Vocalsの参加曲、諸々の記述からするとExordiumの続きかも知れません)、Lilly、Il Tempo È Giunto、Mercy Of The Sea(PVより長いフルバージョン)、の五曲でした。 番組のラストはMercy~のインスト部分で締め。 後半は本作からではなくRobのルーツになったと思われる過去の曲を流していました。 アルバムに興味を失うような流しすぎには至らなかったので一安心。 というか、案の定というべきか、むしろアルバムを聴くのを前にも増して待ちきれなくなりました。 とりあえず、来週予定のビデオと併せてアルバムが届くまでの間を持たせるのには格好の材料。 そして再来週にはCDが届く

Mercy Of The Sea

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何度か取り上げた Kompendium 、昨日新しいビデオが公開されました(YouTubeの投稿日は一昨日だったりしますが)。 時間が予告されていたので、PCの前で今か今かと待っていましたよ。 アルバムの4曲目となる"Mercy Of The Sea"となります。 前回の"Lilly"とはアルバムでは連続した曲になりますが、純粋な演奏ビデオであった"Lilly"とは異なり、映像はストーリー仕立てとなっているようで、曲順と合わせて色々と想像を巡らせるのも面白いです。 映像や各曲のタイトルを見るに、どうやら全体的には悲劇となっているような印象ですが。 曲の方ですが、本物のストリングスだけでなくサンプリングと思われるブラスまで入った壮大なオーケストレーション、バグパイプやフィドルによるケルト的な演出など、映画音楽をも思わせるスケール感のあるアレンジが印象的です。 そして、それに乗せて哀愁のあるメロディを歌うSteve Balsamoのヴォーカルがそれはもう素晴らしく、この曲の壮大な印象を最後に一押ししているのはこの声と言ってもいいでしょう。 声質、声量、音域、安定感、どれをとっても完璧に近いパフォーマンスです。 Francis Dunneryのギターも見事な演奏で哀感を引き出すのに一役買っています。 冒頭、雄大なストリングスのアルペジオとイリアン・パイプスのメロディで引き込まれる事間違いなし。 ケルトとオーケストラを取り入れたポップミュージックという面では「タイタニック」等の映画主題歌を思い出すのもありでしょう。 今後タイトル曲"Beneath The Waves"のビデオも公開となるようなので、そちらも期待したいと思います。 アルバムは予約完了しました! RobはKompendiumの作業が完了し、既にMagentaの新作に戻っているようです。 まさかの復活を果たしたCyanも併せ、今年はRobにとって大きな年になりそうです。

いつのまにか

サンプルライブラリーというのは制作に想像以上の時間と手間がかかるものだと思います。 実際、発売予定が年単位で遅れたりそもそも本当に作っているのか心配になるような製品を過去何度も見ています。 ですが、どれだけ遅れようと出るものは出るのです。 Vir2 「 Studio Kit Builder 」の正式な発表がありました。 最初に発表があったのは確か昨年のNAMMで、同年夏に詳細を公開となっていました。 しかし結局製品ページが出来たのは今年の3月、そこから更に半年を経てようやく実物が出てきたわけですね。 ちなみに、僕は毎日Vir2および BFA のサイトを見ていたのですぐ確認できました。一昨日くらいだったと思いますが。 ものは総合ドラム音源です。単体でジャンル非限定の柔軟なキットを使えるドラム音源というのは意外やこのドラム音源百花繚乱の時代にあまり見当たらなかったので、結構意義が大きいと思います。 Electri6ityに続いて楽器ごとの総合音源という形で道を拓いた感じでしょうか。 その割にHDD容量は9GBと軽量。最新のKONTAKT製品であることを考えると実際のサンプル量は見た目よりかなり多いと思われますが。 現在の他のドラム音源は、ジャンル特化かつかなり大型のものが多いため、それが大変という層には請求力のある製品になるのではないでしょうか。 あと、何年も前に情報を聞いた Garritan Classic Pipe Organ が発売されていたようです。 当時はパイプオルガンの音源自体が殆ど無く、かなり注目していましたが、現在はそれなりに融通の利くオルガン音源もある程度あるため相対的な価値は下がっているかも知れません。 しかしながら時代ごとの6種類のオルガンをストップごとに収録しているということで、未だ数少ない総合オルガン音源として存在感はあるかと思います。 こちらも3GBと規模の割に軽量(まあそれほどサンプルの量を必要とする楽器でもないのでしょうが)。 一昨年末のWorld Instrumentsからですが、新製品の続報が聞かれなかった時期を過ぎて継続的なリリースが行われているようですので、他のChoir、Historic Instruments、Advanced Stringsなどもそのうち発売を期待して良いのかも知れません。

予約開始!

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先回のポストで書いた通り、 Kompendium のアルバム"Beneath The Waves"の予約が開始されました。 同時に詳細な収録内容も公表されており、収録曲は Exordium Lost Lilly Mercy Of The Sea The Storm Beneath The Waves Sole Survivor Alone Il Tempo È Giunto A Moment Of Clarity One Small Step Reunion となっています。 プレビューのためのPVも公開されていますが、Magenta直系のシンフォニック・ロックからオーケストラ、クワイア、多くの歌手をフルに生かした壮大な作品まで、非常に素晴らしい内容に仕上がっています。 発売前から名作が確定していると言っても過言ではないかも知れません。 それにしても、 Christinaも勿論ですし、CyanのNigel Voleといい今回のSteve Balsamoといい、Rob Reed周辺には優れたヴォーカリストが多いですね。 またProg Magazineの ウェブサイト では収録曲"Lilly" のビデオが公開されています。 Magentaの"Anger"を思わせる、クラシックギターと弦楽を従えた、しっとりとしたバラード。 チェロを用いたアレンジが素晴らしく、リズムが入る後半からは情感豊かに、静かに、盛り上がります。 個人的にこういうのはとても弱いのです。得も言われぬカタルシスがあります。 DVD付き、15.99ユーロと値段も間違いなくお手頃です。これは買わない選択肢がない。

Kompendium

Magenta のリーダーことRob Reedが以前より進めてきたプロジェクト、 Kompendium のアルバムがもうすぐ発売になります。 公式サイトでは予約開始がカウントダウンされており、来週の月曜日に注文が可能になるようです。 さて、このプロジェクト、名前は以前より聞いていたものの、実際にどのようなものなのかは最近まで知らずにいました。 Steve Hackett が参加しているRobのプロジェクトというのは認知していたのですが。 そして明らかになった内容は、数多くのシンガー、ギタリストを擁した一大ケルティック・シンフォニック・ロックのコンセプトアルバムというものでした。 その凄まじすぎるメンバーは是非公式サイトで見ていただき、興味があればサンプルも聴いていただきたいところです。 現状認識できる音楽性と、Rob Reedが作曲、Steve Reedがコンセプトと作詞、という布陣、メンバーに Chris Fry と Christina Booth が含まれている事から考えれば、基本はMagentaの拡張版という位置づけになりそうですが、参加ミュージシャンの多さや音楽的規模など、それに止まらないものを感じられます。 とはいうものの、ギタリストに関しては同時に弾くような場面は少なく各人がソロでフィーチャーされる感じだと思われ、Chrisが他の多くのギタリストに劣るとは全く思えないので、プレイのレベルというよりは色んなギタリストの演奏が聴けるという感じで受け取るべきでしょう。 歌の方はかなり凄いパフォーマンスになっているのではないかと思います。 発売は10月22日とのこと。出来れば予約して発売日に手にしたいと思ってます。 そういえばMagentaのアルバムも今年を予定していたと思うのですが、そちらはどうなるのでしょう。

遂に……!

ずっと思っていた事なのですが、Rolandはピアノ系電子キーボードについて業界最高級のノウハウを持っています。 ところが、MIDIコントローラーに関してはここのところ最大で61鍵盤の製品しか発表しておらず、DAWやソフト音源が大きく発達しているご時世にどうして88鍵のコントローラーを出さないのか疑問に思っていました。 が、この度それを解消する製品が 発表された ようです。 搭載の鍵盤は最上位のPHA3鍵盤ではなく、取り回しを重視してかIvory Feel-G鍵盤。 まあ、演奏性に大きな差があるわけではありませんし、製品形態からすれば可搬性を重視した選択は妥当と思います。 勿論、しっかり RPU-3 にも対応して三本ペダルで演奏できるようです。 そして同時発表の Integra-7 等と接続すればSuperNATURAL音源のコントロールが可能との事。 そのIntegra-7も非常に興味深い製品で、最新のSuperNATURAL音源にVX-5080やSRXシリーズの音色を追加、16トラック独立のエフェクトと新開発のMotional Surroundを組み合わせた製品、平たく言えばRoland音源の集大成という事になりそうです。 そもそもラック音源自体もう出ないかと思っていたので、不意打ちというか衝撃的でした。 ただ、個人的に気になるのが、iPadによるコントロールアプリがあるという一方でPC上でのコントロールはMotional Surroundプラグイン以外の話がない事。 DAWベースの音楽制作と親和性の高そうな製品なので、PC上でのフルコントロールが可能になれば嬉しいのですが。 勿論ハード音源なのでライヴにも強そうです。 上記二つの製品とiPadでライヴセットを完結させるキーボード奏者の方も出てくるのでは。 興味を引かれたのはこの二つなのですが、至れり尽くせりなヴォーカル練習ツール VT-12 やバッテリー駆動アンプの新製品など、地味に有用な製品が発表されています。 あとはこの前からティザーが公開されてた SONAR X2 が正式に発表されています。

クレオパトラ

この間から、Kayakの サイト で来年予定の新作"Cleopatra"(直接的には九月に発売のEP)のプレビューが聴けるようになっています。 長さは2分程度ですが、4曲分のダイジェストになっているようです。 1は最近の作風に近いハードな感じでしょうか。曲調は大仰、重厚で"Nostradamus"よりは"Merlin"に近い気がします。 2はKayak独特のコード進行と心地よい疾走感がいい劇的な作品。尺の取り方的にも中心的な曲になるのかも知れません。こちらは現在の編成が定着して以降の作風に近い感じ。 3は伝統の良く歌うギターソロ。Johanの時代と比べるとギターの音だけでなくフレーズにも変化が見られるような。 4は物悲しいメロディとフレットレス・ベースの呟きが今のKayakらしいバラードでしょうか。こういう物悲しさは特に"Anywhere But Here"でよく聴かれたのですが、解散前の作品にはあまりなかったような気がします。 総合的に、特に先祖返り的な感じではなく前作までの作風の延長線上にあり、色々と今までの曲に想像は及ぶのですが、Merlinより前には戻らない感じがします。 が、なにせ2分だけなので何とも言えないところです。 確かなのは、これだけで楽しむにも期待を膨らませるのにも充分という事です。 やはりこのバンドの魅力はメロディ(というかそれを裏打ちするコード進行)なので、即効性が強いのです。 とりあえず、現状ではプレビューのプレビューという状態なので、まずはEPの現物を手にしてから語るべきという事になります。 一緒に収録される"Symmetry"も、Yes直系っぽい曲風が現メンバーの演奏でどのように再現されるか興味深いところですね。 とりあえず楽しみに待ちたいところです。

All The Wars

久しぶりに"4 Stories Down"を引っ張り出してきて"The Ground Floor"が改めて聴くと良い曲だなぁとか思ってたわけですが、待ち望んだ The Pineapple Thief の新作情報が解禁されました。 タイトルは"All The Wars"、9月3日発売との事です。 その前に"What We Have Sown"の再販も控えていますので、併せて楽しみなところです。 トラックリストは下記の通り、 Burning Pieces Warm Seas Last Man Standing All the Wars Build a World Give It Back Someone Pull me Out One More Step Away Reaching Out 更にスペシャルエディションにはボーナスディスクとして Warm Seas Reaching Out Last Man Standing One More Step Away All the Wars Every Last Moment Someone Pull Me Out Light Up Your Eyes のアコースティック・ヴァージョンが収録されるとの事。 この内"Last Man Standing"が無料ストリーミングで聴けます。 音の感じは"SHIM"よりも"Tightlu Unwound"に近い気がしますが、メロディなど一部に初期作品を思い出させる要素もあり、なかなか興味深いです。 新機軸のストリングスとクワイアも違和感なくはまっており、完成度はかなり高いと思います。 一方で彼らの得意とする切ないメロディはこの曲では聴かれないため、アルバム全体としてどのようなトーンになるかはまだ不明ですね。 また、アートワークはとても印象的な仕上がりです。 ともあれ、思いの外リリースは近いという事で、ワクワクしながら待ちたいと思います。

Ib

さて、この間から話題に出ている「とあるフリーゲーム」こと Ib です。 公開から程なくしてフリーゲームファンの間で話題になり始め、大きな人気を得たという事ですが、自分は後追いなためそのへんの状況はよくわかりません。 ただ、ニコニコ動画でタイトルは頻繁に目にしていましたし、なんとなく怖くて避けていたのですが、最近人気があるんだなぁというのはなんとなく知っていました。 それでとある動画を観た事で興味が湧いて、さっそく調べてダウンロードしたわけです。 ストーリー面についてはあまりに語り尽くされているので感想など。 まず惹かれるのは音楽による演出の巧みさです。 タイトル画面での印象的なメインテーマは言うに及ばず、ゲーム開始直後からオープニングはバリオスの「プレリュード ハ短調」に館内BGMはコレッリの「ラ・フォリア」と優れたクラシックの曲を用いて耳を引きつける憎い演出を見せます。 実際、動画を見たときもここまで進んだ時点で既にダウンロードを決意していた気がします。 その他は基本的にフリーBGM素材を使用していますが、選曲と使い方が絶妙で上手い具合にストーリーと雰囲気を盛り上げてくれます。 ゲーム性においては難しすぎず、かといって単純過ぎもしない謎解きの難易度が良い感じで、ちょっと迷うかも知れないけどまず詰まらないという感じで気持ちよく進行していきます。 特に感心したのが、作品の舞台である美術館をうまく活かしたギミックの数々。 単純な「お使いイベント」の置き換えに「それである必然性」を与えた上で雰囲気の演出にも一役買っているという何とも見事な使い方です。 中でも別行動になってからの一連の攻略は謎解き的にも本作のゲーム的ハイライトだと思います。  また、あらゆる意味でキーとなる美術品の数々も非常によく出来ており、中には本当に現代美術の有名作品ではないかと思う物もあるくらいです。 これらの作品が、ゲームとしての本作にも華を添えているのは言うまでもないでしょう。 最後に、これらについては語る事もないくらいファンの間で話題にされ尽くしているのですが、ストーリーとキャラクターも素晴らしいものです。 ストーリーはこれ見よがしな恐怖を煽ったり大感動したりするような類ではなく、通して読んでいくと所々に心に刺さるような場面があり、最後には一抹の切なさが残る

わりと好調

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ここ暫く、またスランプに陥ってた感があったのですが、持ち直してきた気がします。 脱出のきっかけはまあ前回書いたあれだと思いますが、その過程で前記の通りクラシックを聴いたり何だかんだとやっていたのと、耳のモードが変化した事もあり、アウトプットとしての楽曲にもいくらか以前と違いが出てきたような気がします。 悪い変化ではないはずです。今後の進歩のきっかけになると良いなと思います。 あと、前からどうにかしようと思っていた事にも手を付けました。 こちら何だかわかるでしょうか。 パッと見て「ああ」と思う人も多いと思います。音楽慣れしてない人には何のことだかわからないかも知れませんが。 要するに、ルートを決めてこの表を見ながら音を選んでいけばギターのボイシングがMIDIや鍵盤の上で再現できるという寸法です。 今までギターパートの打ち込みがかなり適当だったのですが、これでぐっと質が向上(予定)。 他には五線紙を用意してコンピュータとピアノの間を延々と往復するのを減らしたり(予定)、もっと早くやっておくべきだったよなーと思う事を色々整えてます。 やっぱり準備は大事。

ちょっと小休止

最近人気のとあるフリーゲームの雰囲気に、かなり魅了されています。 ゲームデザインやシナリオも素晴らしく見るべきところの多い作品ですが、クラシック音楽を含む楽曲を上手く使って雰囲気を演出しているあたりにもセンスを感じます。 さて、その煽りというわけでもないですが、現在は幾つかのクラシック音楽を改めて聴いていまして、今聴くと新しい発見が色々とあるなぁというのが実感されますね。 個人的に大きかったのはラヴェルの「クープランの墓」です。 初めて聴いたときから良い曲だなと思っていたわけですが、改めて聴くと本当に素晴らしい曲です。 特に"Forlane" と"Rigaudon"がお気に入り。 あとはショパンのピアノソナタ第二番。第三楽章ばかりがやたら有名な作品ですが、個人的には第一楽章が気に入っています。 というかピアノソナタは第一楽章に力が入っていて当然なのですが。 そういうわけで、今まで即興でピアノを弾いて出てきたフレーズを転写するかMIDIを打ち込みながら思いつくまま続きを作っていくスタイルで曲を作っていたのですが、今になって初めて計画的な作曲という物に挑もうとしているわけです。 今のところ断片となるスケッチが幾つかある程度の状態ですが。使えない物も多そうだし。 慣れないやり方で手探りな感じが強いのですが、今までが甘い方向に流れていたという事だと思います。 ちなみに、付随してロックの曲も幾つか聴いております。 Art ZoydやIsildurs Baneなど。

前回に引き続き

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ちょっと機会があってKayakの楽曲"Ivory Dance"を聴きたくなって探したら、 YouTubeで見つかった のですが、何これ凄い名曲じゃないですか。 元々はシングル"Ruthless Queen"のB面として収録されていた曲で、収録作が収録作だけに聴いたことのあるファンの数は少なくないと思われますが、その後"Eyewitness"や"KayaKoustic"などライヴでの演奏こそ発表されていますがオリジナル版は35周年ボックスにも収録されず、入手不可の音源となっていました(探してたのはそれ)。 スタジオ版だけあって後のライヴより雰囲気の演出が優れています。 この曲はそうしたところで目にしていたため探して出会うことが出来ましたが、この手の曲はまだあったりするのかも知れません。 せっかく未発表曲が日の目を見ることですし、そのオリジナルレコーディングとB面曲を集めたレア・トラック集とか出してくれませんかね。やる気があるなら40周年記念CDはそうなっていたとは思いますが。 で、曲の方ですが、得意技の一つである(他の芸風の印象が強いためあまり言われることはないですが)トラッド風の作風にほんのりラグタイムや正統派クラシックな要素も覗かせる作品。 骨格はピアノが固めて、物悲しいメロディにリコーダーが寄り添い、後半はオルガンも入って雰囲気を盛り立てますが、いわゆる厚みや盛り上がりはそれほどでもなく、繊細に組み立てられた音で聴かせる感じです。大きな変化が無く繰り返し主体なので、無限ループ化したら曲調と相俟ってゲームにも使えそう。 タイトル通りの舞曲風な6/8拍子ですが、ピアノの左手のリズムがなかなか凝っていて面白いです。 あ、ちなみに近く"Anywhere But Here" の感想も書きます。

マーリン、ノストラダムス、そして。

Kayak の公式サイトをチェックしたところ、次のアルバムについて幾つか興味深い情報がありました。 まず、九月にKayak biographyの本が出ます。著者は奥様ことIrene Linders。そして、時を同じくして40周年記念のミニCDが発売されます。 内容は、来年発売予定のアルバムからのプレビューと、1972年に制作されてお蔵入りしていた楽曲のリメイク。タイトルは"Symmetry"。 オリジナルは15分に及んだそうですが、今回は9分程に再構成されての録音となるそうです。 試聴できる当時の録音では、期待通り当時のプログレ(というかYes)の影響を存分に感じさせる音が聴けます。この1分半だけでもどうして今までリリースされなかったのか不思議なくらい魅力的に思います。 音と演奏はやはり70年代当時のKayakらしい硬質さとエキセントリックな印象を受けますが、今のKayakの音でどう生まれ変わるか期待したいです(こういう音のまま出てくれば70年代プログレの傑作になっていたような気がしますが) アルバムのプレビューはこれまた9分程度の(おそらく)編集版、アルバムは三作目となるロックオペラ、コンセプトアルバムで、タイトルは" Cleopatra- The Crown of Isis "となっています。 "Merlin - Bard of Unseen"、"Nostradamus - The Fate of Man"に続いて、今回も「人名 - サブタイトル」のフォーマットとなっており、これまで通りひとりの人物にスポットライトを当てたドラマティックな作風が期待されますね。 そして、その人物は、見ての通りエジプト女王クレオパトラとなっています。 エジプトという音楽的にも特徴のある国を題材に、はたしてどんな音楽を聴かせてくれるのか興味があります。 当然まだまだ完成は遠いのでしょうが、秋頃には一部とはいえ実際の音を聴かせてくれるというのですから、本編の登場も来年のそう遅くない時期になるのではないでしょうか。 Pimの死去により一時は活動さえ危ぶまれていたKayakですが、それを乗り越えて極上のポップアルバムとなった前作に続きこのような作品を送り出そうとしてくれるとは、本当に嬉し

ほほう。

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以前より情報はあったものの姿が見えてこなかった Chris Fry のソロアルバムですが、MagentaのCRSライブにて演奏されるとのアナウンスがあり、期待が高まっていました。 そしてこの度タイトルと収録曲が発表され、サンプルがYouTubeにアップロードされました。 タイトルは"Composed"、ライヴと同じ3/31に発売予定。 様々な木で作られたギターピックが並べられたカバーもなかなか素敵です。 内容はロック色の(聴く限りは)一切無いアコースティック、特にクラシックギターを中心に据えたギターアルバムです。 エレキギターらしき音は入っていないようで、ナイロン、スチールの両アコースティック・ギターに、ヴァイオリンやストリングスのサポートを用いた正当派クラシカルな内容に仕上がっています。 単なるイージーリスニングのような感じではなく、テクニカルな部分や緊張感のある曲調なども見せているようです。 最終曲はYouTubeでもライヴ映像が見られる"Secret Garden"。これがなかなか良い曲なのです。 しかしながら、前からMagentaのアルバムにクラシックギターが足りないと言っていた位に彼のクラシックギターは好きなのですが、いざそればかりのアルバムを目の当たりにするとエレキギターを弾きまくるところが恋しくなる辺りわがままだなーと思います。

メッセですよ

毎年恒例、 Musikmesse が今年もフランクフルトで開催されています。 まだ始まったばかりなので情報もそれほど多くはないのですが、現時点ではギターアンプに興味深い製品が二つほど存在しています。 一つはRolandの GAシリーズ 、もう一つがBlackstarの IDシリーズ です。 前者はRolandお得意のCOSMアンプ。ただし、所謂モデリングアンプではなく、COSMを設計手法として開発されたオリジナルのギターアンプです。 要するにアナログでは難しいような単品で幅広い音色変化を持った独自のアンプをデジタルで実現したという事のようで、思想自体は通常の単チャンネルアンプと同じようです。 実際コントロールは通常以上にシンプルで、ディスプレイのようなものはありませんしエフェクトもリバーブ以外に存在しません。 デザインは若干クラシックというか、米国の新進メーカーの製品のような印象を受けるのですが。 また、エフェクトループが二つありますが、1スピーカーのGA-112にも付いていることと設計が独立していることからするとステレオではなく、二系統のエフェクトを個別に接続できるようです。 ちなみにRolandからの新製品は他に Jupiter-80 のアップデートと Jupiter-50 、それにNAMMに引き続きV-Drumsが大量に。 久しぶりの ペダルキーボード など嬉しい新製品もあるのですが、全体的には地味だったかも知れません。 そして後者ですが、これまた既存のモデリングアンプとは異なる角度から攻めてきた製品といえましょう。こちらは見た目はまんまモデリング系ですが。 はっきり言えばBlackstar製品全部入りの多機能アンプ。 同社の製品におなじみのISFコントロール、6種類のチャンネル切り替えに6種類のパワー管を再現する新開発のTVPに同社の高級モデルと遜色ないコントロール、更にマルチエフェクトと何でもあり。 これだけ見ると巷に溢れるデジタルモデリング多機能アンプに参入してきただけのように思えますが、実際のところTVPとマルチエフェクト以外は同社の真空管アンプと同様な辺りがここの卓越した設計思想を物語っているように思います。 しかしながら、Blackstarがこのような製品を打ち出してくるとは意外でした。 普段から本物の真空管アンプ

これは……いい。

Crypton のサイトにて Toontrack 社製ピアノ音源" EZkeys "の情報が公開されたのですが、これはいいものですね。 今更ピアノ音源? しかも低価格製品で? などと思ってはいけません。個人的にここまで購買意欲を掻き立てられた製品は久し振りです。 最大の売りは、Smart Transposeと銘打たれた機能。いわゆる五度圏をデザインに取り入れたものですが、まずそのデザインが素晴らしい。五度圏におけるコードの関係が丸わかり。しかもクリックすれば音も出る。 この時点で教育ツールとしても優秀ですが、それを駆使してフレーズを並べていけば簡単にピアノトラックが完成し、それをMIDIファイルとして出力できるという始末。 更にフレーズにはグリッサンドのような実際に収録するのが意外と大変な奏法も含まれているようで、ピアノが上手く弾けない、入力に使えるキーボードがないという場合も思い通りのピアノフレーズを作っていけそうです。 外部のMIDIファイルも使えるので簡単に演奏してトランスポーズしていくことも出来ますし、勿論他のピアノ音源を持っている場合もそれと一緒に使うことができますね。 思えば、コード進行を理論で理解するのはなかなか大変です。もっと早くこういうものが出ていれば、僕も実用的な制作をしながら身体で覚えることができたのではないでしょうか。 ……あ、まだ全然遅くないやー……(笑)。

早いものですね。

あの衝撃的な災害から、もう一年経ちました。 その少し前にはニュージーランド地震の追悼集会もありましたが、特にそこに参加していた日本人遺族の胸中はどのようなものだったのでしょうか。僕には想像することすら叶いません。 当日のことはまだはっきりと憶えています。 ゆっくりとした妙な揺れに驚いて慌ててテレビを点けたこと、急速に慌ただしくなっていく報道の雰囲気、発表されたマグニチュードが何度も引き上げられたこと、流れてきた津波の映像、 いい加減な認識で地震観測所を叩いてたネット上の人、 今思い出してもドキドキします。 もちろん、その後の原発事故に関する報道も。 段々と報道の焦点は「震災」から「原発」に移っていったように思いますが、震災が既に起きてしまったことに対して原発の方は現在進行形で拡大している事象だった訳ですから、当然のこととは思います。 とにかく、丁度一年前にこの国は大きく動きました。世界が変わったと言っても良いかもしれません。 実際に目の当たりにした事件でこれほど深く歴史に刻まれるであろう出来事は、その10年前、同じ「11日」にあったあの事件以来だった気がします。 しかしながら、当初こそ日本中、世界中の人々が団結して助け合い前に進もうとしている事を思わせる事柄が多く紹介されましたが、結局のところ大きな悲劇の後でも人間の本性が変わるわけではないことを思い知らされた一年でもあったように思います。 特にネットメディア、ソーシャルネットワーク上でのリテラシー崩壊には徹底的に失望させられた感があります。 何にしても、あれから一年、犠牲になった多くの人々に改めてお祈りを捧げるとともに、被災地が少しでも力強く立ち直っていくことを願っていきたいと思います。 ……不思議なもので、このブログ、ほぼ個人の日記帳のような扱いながら人に見られても困ることはないような文章で書いていると思ってはいるのですが、いざ知らない誰かに読まれていることがあるかもと思うと凄く焦ります。恥ずかしいです。 あまり意識してませんでしたが、それじゃ何のためのブログだよって感じですよね。 この文章を読んでいる方、いますか? こんなブログで本当にいいでしょうか?

今回はどうだろ。

毎年恒例のNAMM Showが先日まで開催されてました。 個人的には、今回はやや興味を引かれるような展示は少なかったように思います。 Roland からは V-Drums や GTシリーズ 、 デジタルピアノ の最新モデル、 モニタースピーカー にFenderとのコラボレーションによる Stratcaster など、インパクトはさほどでもないものの素直に魅力的な新製品が並びました。 Korg もチューナーを中心に幾つかの製品ラインを一気に最新世代に更新、最近流行りの ポリフォニック・チューナー も加わりました。この形式のチューニング作法について製品情報で記述してある辺りがさすが大手。更にKorg関連ではVOXの" DelayLab "とPRS" P22 "が目を引くところでしょうか。 Yamaha は新奇性の高い話題はありませんでしたが、会場では THRシリーズ など魅力的な新製品の実機を試せたようです。新発表では、ずっとパーツの提供が止まってたドラムラックのリニューアルとMGミキサーの上位モデル、改良された調音パネルなどが注目でしょうか。 それら国内大手以外では、 Universal Audio から発表された" Apollo "はかなり話題を呼びそう。 他にも HOOK UP の取り扱いメーカーからは色々と興味深いものが出ているようです。 Waldorf と、なんと Auturia が本物のアナログシンセサイザーを発表したのが面白いところでしょうか。最近、アナログが(バーチャル含め)再び活況を呈しているような気がします。 Nord からはオルガンの新製品"C2D"が。ドローバーが付いて本物感覚のオルガン演奏が叶うようになりました。もうこのカテゴリーの定番と言っていいでしょう。 Nord Drum はやはり最近のヴィンテージモダン指向を感じさせる製品。個人的には使うところがなさそうですが、製品としては魅力的です。 ソフト関連では意外と目を引くものが(あくまで個人的な趣味では)なかったのですが、Vir2は Fractured 発売から間もない時期ながら新製品" Studio Kit Builder "の デモ を行っていたようです。これも出るって言

さて。

新年初めてのブログになります。 年末年始は特に変わったこともなく、平穏無事に過ごしていました。 色々とここに書くことはあるような気がしますが、とりあえず新しいCDを買いました。 Kayak"Anywhere But Here" 国内版紙ジャケット仕様です。プログレ的面白みは無いのですが、そこは忘れてしまえば非常に優れたポップロックのアルバムです。 全体にしっとりした曲が多く印象が薄いのですが、どの曲でもメロディは高品質でアレンジも優れています。 ちなみに翻訳は今回も今ひとつ……というかかなり駄目な感じ。邦題にも誤訳があるしなぁ。 もう一つ、 Ske "1000 Autunni" 我が地元のアイドルグループと名前が似ていますが関係ありません。 母体グループであるYugenと音楽的な差異はほぼありません。変拍子と無調、不協和音を多用しつつ時にメロディアスなアヴァンギャルド・ロックというところ。 Yugenよりメロディアスよりな面が強いかも知れません。 ジャケットには「一日千秋」、ブックレット内にも俳句や短歌。母体の「幽玄」といい、日本語がかなり好きな人みたいです。 そういえば、ソフト音源の世界でも あれ やら これ やらと気になるものが出てきていますが(どちらも続編がありそうですね)、個人的に気になったのは こちら 。 昔はそうでもなかったのですが、最近は80年代風な音が結構好きになってきたこともあり、気になる製品です。 ちなみにデモソングの中に聞き慣れた曲が。 この曲、個人的には黎明期以降のやや滞留気味なVOCALOID曲の中では、その特性をきっちり利用している点で好きな曲です。 海外でこんな風になっているとは今の今まで知りませんでしたが。 VOCALOIDも、2008~09年くらいまでのドキドキ感のあるムードが続いていればもう少し良い世界が生まれたのでしょうけど、当時の期待は裏切られた感じで少し残念ではあります。