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Showing posts from July, 2013

Wintergatan

昨年時点で今年に発売スケジュールが組まれていたアルバムで一番楽しみにしていたのが、この Wintergatan のデビューアルバムでした。 Wintergatanは元 Detektivbyrån のMartin Molinが新たに結成したバンドであり、アコーディオンやグロッケンシュピール、ヴィブラフォン、そしてオルゴールの音を前面に押し出した音楽性を前身バンドから受け継いでいます。 一方で異なるところはピアノなどの典型的なキーボードサウンドがあまり目立たない事、リズムに躍動感が強い事、そしてリアルなノスタルジーを感じさせた前身より幻想的な世界観を持っている事でしょうか。 Detektivbyrånが幼い頃、部屋の隅でおもちゃで遊んでいた時を思い出させるとすれば、こちらは夜寝る前に、窓から見える夜空に空想と夢を膨らませていたような、そういう音と言えるかも知れません。有り体に言って、Detektivbyrånより悲しくない音楽です。 元々のバンド名、Vintergatanはスウェーデン語で天の川。なるほど、という感じです。 CDを手にとってまず驚いたのは、封入されていた手書きのメッセージカード。 しかも紙もハサミで切ったような痕跡が見られる、手作り感溢れるものです。 更にアルバム自体も手作り感満点のCD-Rっぽいレーベル面にびっくりしますが、盤自体はちゃんと工場でプレスされたものなので安心です。 また、数多くの楽器が使用されていますが、クレジットによれば1、4、6、9曲目ラストのドラムと4曲目の口笛意外は全てMartinの演奏とのこと。物凄いマルチプレイヤーぶりです。 ライヴでは他のメンバーも参加しているわけですが、それでも楽器の持ち替えはかなり忙しいものがあります。 7月7日に配信されたライヴの映像が公式サイトで見られるようになっているので、興味のある方は一見をお勧めします。

WIsdom Of Crowds

感想を書こうとずっと思いつつブログ自体を放置していたわけですが、やっぱり書いておこうと。 Bruce SoordとJonas Rankseのプロジェクト、 Wisdom Of Crowds です。 このコラボレーションを示す話題はBruceの旧ブログのころから断続的に挙がってきていましたが、 その実態が明らかになったのが数年経ったこの春、そして丁度1ヶ月ほど前に発売となりました。 プロジェクト名としてはBruce Soord with Jonas Renkse、アルバムのタイトルがWisdom Of Crowdsとなっているようです。 Bruceは言うまでもなくT he Pineapple Thief のリーダー、Jonasはスウェーデンのダークなメタルバンド、 Katatonia のヴォーカリスト。 両者の経歴や音楽性の関係に Storm Corrosion を思い出す人もいそうですが、あのプロジェクトほどマニアックな感じはなく、元バンドの音楽性を活かしながら割とわかりやすいポップミュージックに落とし込まれているように思います。 やはりThe Pineapple Thiefと比べてどうかという話になるのですが、単純な上位互換だったり逆にTPTの出来損ないみたいな印象は 全くありません 。 最大の違いはやはりヴォーカルになるのですが、 楽曲の面ではかなりロックど真ん中になってきた最近のTPTと比べるとダンスミュージック、エレクトロニカ的な要素が強く出ています。 シンセサイザーを初めとしたキーボードの活躍はTPT以上に大きく、対するギターもかなり前に出ています。 一方でTPTの象徴でもある憂鬱な弾き語りや奇数拍子などはなくなり、ドラムが全体を通してループで構築されている事もあり、直線的なリズムで走るなイメージが強くなりました。 今までのようにプログレ的な感覚で聴くと延々と続くリズムパターンが単調と感じられるかも知れません。 そして、最大の呼び物であるJonasのヴォーカルは落ち着いた低いトーンの歌声で、電気的で痺れそうな音の中で一本筋の通った芯になっているように思います。 これが彼を起用した狙いでもあるのでしょうか。 また、クレジットを見ると一部の追加のシンセサイザーを除きヴォーカルがJonas、楽器がBruceとされています。 基