Wintergatan
昨年時点で今年に発売スケジュールが組まれていたアルバムで一番楽しみにしていたのが、この Wintergatan のデビューアルバムでした。 Wintergatanは元 Detektivbyrån のMartin Molinが新たに結成したバンドであり、アコーディオンやグロッケンシュピール、ヴィブラフォン、そしてオルゴールの音を前面に押し出した音楽性を前身バンドから受け継いでいます。 一方で異なるところはピアノなどの典型的なキーボードサウンドがあまり目立たない事、リズムに躍動感が強い事、そしてリアルなノスタルジーを感じさせた前身より幻想的な世界観を持っている事でしょうか。 Detektivbyrånが幼い頃、部屋の隅でおもちゃで遊んでいた時を思い出させるとすれば、こちらは夜寝る前に、窓から見える夜空に空想と夢を膨らませていたような、そういう音と言えるかも知れません。有り体に言って、Detektivbyrånより悲しくない音楽です。 元々のバンド名、Vintergatanはスウェーデン語で天の川。なるほど、という感じです。 CDを手にとってまず驚いたのは、封入されていた手書きのメッセージカード。 しかも紙もハサミで切ったような痕跡が見られる、手作り感溢れるものです。 更にアルバム自体も手作り感満点のCD-Rっぽいレーベル面にびっくりしますが、盤自体はちゃんと工場でプレスされたものなので安心です。 また、数多くの楽器が使用されていますが、クレジットによれば1、4、6、9曲目ラストのドラムと4曲目の口笛意外は全てMartinの演奏とのこと。物凄いマルチプレイヤーぶりです。 ライヴでは他のメンバーも参加しているわけですが、それでも楽器の持ち替えはかなり忙しいものがあります。 7月7日に配信されたライヴの映像が公式サイトで見られるようになっているので、興味のある方は一見をお勧めします。