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Showing posts from June, 2012

All The Wars

久しぶりに"4 Stories Down"を引っ張り出してきて"The Ground Floor"が改めて聴くと良い曲だなぁとか思ってたわけですが、待ち望んだ The Pineapple Thief の新作情報が解禁されました。 タイトルは"All The Wars"、9月3日発売との事です。 その前に"What We Have Sown"の再販も控えていますので、併せて楽しみなところです。 トラックリストは下記の通り、 Burning Pieces Warm Seas Last Man Standing All the Wars Build a World Give It Back Someone Pull me Out One More Step Away Reaching Out 更にスペシャルエディションにはボーナスディスクとして Warm Seas Reaching Out Last Man Standing One More Step Away All the Wars Every Last Moment Someone Pull Me Out Light Up Your Eyes のアコースティック・ヴァージョンが収録されるとの事。 この内"Last Man Standing"が無料ストリーミングで聴けます。 音の感じは"SHIM"よりも"Tightlu Unwound"に近い気がしますが、メロディなど一部に初期作品を思い出させる要素もあり、なかなか興味深いです。 新機軸のストリングスとクワイアも違和感なくはまっており、完成度はかなり高いと思います。 一方で彼らの得意とする切ないメロディはこの曲では聴かれないため、アルバム全体としてどのようなトーンになるかはまだ不明ですね。 また、アートワークはとても印象的な仕上がりです。 ともあれ、思いの外リリースは近いという事で、ワクワクしながら待ちたいと思います。

Ib

さて、この間から話題に出ている「とあるフリーゲーム」こと Ib です。 公開から程なくしてフリーゲームファンの間で話題になり始め、大きな人気を得たという事ですが、自分は後追いなためそのへんの状況はよくわかりません。 ただ、ニコニコ動画でタイトルは頻繁に目にしていましたし、なんとなく怖くて避けていたのですが、最近人気があるんだなぁというのはなんとなく知っていました。 それでとある動画を観た事で興味が湧いて、さっそく調べてダウンロードしたわけです。 ストーリー面についてはあまりに語り尽くされているので感想など。 まず惹かれるのは音楽による演出の巧みさです。 タイトル画面での印象的なメインテーマは言うに及ばず、ゲーム開始直後からオープニングはバリオスの「プレリュード ハ短調」に館内BGMはコレッリの「ラ・フォリア」と優れたクラシックの曲を用いて耳を引きつける憎い演出を見せます。 実際、動画を見たときもここまで進んだ時点で既にダウンロードを決意していた気がします。 その他は基本的にフリーBGM素材を使用していますが、選曲と使い方が絶妙で上手い具合にストーリーと雰囲気を盛り上げてくれます。 ゲーム性においては難しすぎず、かといって単純過ぎもしない謎解きの難易度が良い感じで、ちょっと迷うかも知れないけどまず詰まらないという感じで気持ちよく進行していきます。 特に感心したのが、作品の舞台である美術館をうまく活かしたギミックの数々。 単純な「お使いイベント」の置き換えに「それである必然性」を与えた上で雰囲気の演出にも一役買っているという何とも見事な使い方です。 中でも別行動になってからの一連の攻略は謎解き的にも本作のゲーム的ハイライトだと思います。  また、あらゆる意味でキーとなる美術品の数々も非常によく出来ており、中には本当に現代美術の有名作品ではないかと思う物もあるくらいです。 これらの作品が、ゲームとしての本作にも華を添えているのは言うまでもないでしょう。 最後に、これらについては語る事もないくらいファンの間で話題にされ尽くしているのですが、ストーリーとキャラクターも素晴らしいものです。 ストーリーはこれ見よがしな恐怖を煽ったり大感動したりするような類ではなく、通して読んでいくと所々に心に刺さるような場面があり、最後には一抹の切なさが残る