ギターバンド

最近、Pineapple Thiefのアルバムのうち"10 Stories Down"に再びはまり始めています。
というのは、ここ暫くバンドっぽいギターサウンドを求めていくつかのCDを聴いていたのですが、このアルバムはPineapple Thiefが一番「ギターバンド」してた作品ではないかと感じたわけです。
"Little Man"はアコースティック、アンビエントの色が強くてバンドっぽいギターは少ないですし、"What We Have Sown"も最後の大作以外はそれほどギターが前面に出てこない。
"Tightly Unwound"もハードなギターは結構出てくるんですが、シンセサイザーが優勢になる場面が結構多くていわゆる「バンドサウンド」とは若干違うような気がするんですね。
更に言えば、その前の作品である"Variations of a Dream"も(アルバム自体は持っていないのですが)結構キーボード系のふわっとした音を生かした幻想性が強く、ギターはその中で一定の役割を持って配置されているのみのような気がします。

そんな中でこのアルバムは、初っ端から完全にギターが主役の"Prey for Me"に始まり、中盤のギターソロが強烈な"Wretched Soul"に後半の轟音が凄まじい"My Own Oblivion"とギターロック系の曲が三曲もありますし、ブルース風(?)の憂鬱なバッキングがいい"It's Just You and Me"やヴォーカルのリフレインを引き連れてギターが羽ばたき続ける"Light Up Your Eyes"など、(エレキ)ギターが印象的に使われる曲が多いのです。
特に"My Own Oblivion"-"It's Just You and Me"の流れは個人的にこのアルバムの中でハイライトと思います。
"Oblivion"後半の激しいリフはヘヴィの極致であって、それがふっと消えて憂鬱極まるバラードの"You and Me"に続く展開は、個々の曲の良さとも相俟って本当に素晴らしいです。

限定版特典(なんかDVDかゲームみたいな言い方だな)の"8 Days Later"も近い方向性で完成度が高いです。とにかく一曲目が最高すぎる。

他の作品がギターバンドの作品として劣っているということでは全くないのですが、モダンロックにアンビエントとシンフォニックな要素を混ぜ込んで独特な世界観を作り出している他の作品と違い、直接的にギターとベースとドラムとヴォーカルという掴みやすい要素を前面に出しているこの作品がロックとしてのわかりやすさでは一番なのかなと。

そういえば、ブログでコンピレーションアルバム"3000 Days"の収録予定曲が一部明らかにされてますね。
まあ予想通りの選曲といえますが、その分"Variations"からは聴いたことのある曲しか入っていないのは致し方ないでしょうか。
とはいえ、リミックス、リマスターした音で過去の作品を聴けるのは楽しみではあります。

あ、あと、何でバンドっぽいギターを求めていたかについてですが……前の記事から察してください。

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