あぁ怖かった。

えーと、良い前置きが思いつかないのでストレートに言ってしまいますが、生まれて初めていわゆる金縛りなるものを体験いたしました。
かなり得難い体験ではあったので、以下少し詳しく状況を書いていこうと思います。

タイミングとしては、うとうとと眠りに入って間もなくのことだったと思います。
前段階としてある夢を見ていて、その中で水中深くに向かって潜っていき戻れないような状態になりました。うん、この時点でかなりホラーな夢ですね。
そこで誰かに肩を掴まれて起こされたような感覚で目が覚め(たのかどうかはよくわかりませんが)、ああ悪夢を長くは見ないで済んだ、とほっとしたのも束の間、こんどはそのまま上から押しつけられるような強い圧迫感にみまわれました。
ここでの感覚はよく見る「どんなに動こうとしても体が動かない」という体験談から想像していたものとは少し違いました。
もちろん、動けないことに代わりはないのですが、体が縛られたように動けないというのではなくて、腕をついて起きようとしたり視線を変えて上を見てみようとしたりしても実際に動いたような感覚はあるものの視界は目が覚めたときの状態のまま動かない、という実に不思議な感覚でした。
つまり、腕立てのように体を起こしたと思っているのに、目に映る限り頭は枕の上で手もその横に置きっぱなしのまま、という感じです。
この時点であぁこれが話に聞く金縛りかという思考が頭に浮かびます。同時に結構な恐怖感も湧いてきます。
金縛りのメカニズムは睡眠時の云々だから心配することはない、しかしこれがいつまで続くのか、いっそ眠り直してしまえば楽なのでは、でも圧迫感がきつくて眠れる気がしない、などなどということをとりとめもなく考えていました。
しかしながら、今は金縛りに関する話は山ほどあり、研究もそれなりにされて僕もある程度知っている状態ですからそんな風に考えることもできましたが、それでもかなりの恐怖感があり、ましてまったくこの現象について知らないでこのような目に遭えばそりゃあ生きた心地がしないほど恐ろしいことでしょう。
とにかく、この状況はそれほど長くは続きませんでした。感覚的には三分無いくらいではないかなぁ、と思います(それとは別にまるで永遠にも感じましたが)。
不意にまた起き上がろうとしたら、ふっと体が持ち上がり、同時にあの圧迫感も消えました。
そのまま手を動かしたり、仰向けになっったりして、天井が見える、自分の頭の上に手があることを確かめてようやく解放されたと実感しました。
実はこの時が動けなかったときよりも一番非現実的な感覚だったように思います。最終的に仰向けの状態ではっきりと覚醒したのは確かなのですが、それまでにどんな動きをしたのかはよく思い出せません。起き上がったときに腕をついて起き上がったのか、頭だけ起こしたのかすら覚えていません。
きっとこのときが金縛り(睡眠)状態から覚醒状態に移行中だったからなのでしょう。
とにかくそのままの姿勢で自分がもう動けることを確かめるとベッドから起き上がって、ここで僕の金縛り体験は終わりです。
直前に見ていた夢との因果関係はよくわかりません(他の体験談にもそういうのはあるのでしょうか)。
右腕を中心に、押さえつけられていたような痺れと痛みがまだ残っているような気がします。
ところで、Wikipediaによると金縛りには前駆症状があるそうなのですが、あのビリビリするような圧迫感がそれなら、前兆というより完全に同時に起こった気がします。
とりあえず確かなことは、典型的な金縛りの症例で完全に自分の体験は説明がつくということでしょうか。

確実に起きていた時間から起きあがって時計を確認するまでわずか20分程度、それだけの時間でしたが、ものすごく濃い経験でした。
もうこんな怖い目には遭いたくないと思いつつも、もう一度もっとはっきり記憶してみたいと思う自分もちょっといたり。

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