シンセサイザー、ピアノ、ブラス

4月くらいから職に就きまして、ブログとか書いてる余裕がなかなかありませんでした。
そんな中Musikmesseがあり一応Summer Nammもあり、その他の発表もありで今年の音楽制作周辺の動きに面白い流れを感じました。

まず、今年に入ってアナログ・シンセサイザーのリリースが盛んになっているなと。
特にArp Odysseyの復刻とProphet-6のリリースが大きなトピックですが、新鋭Modal Electronicsの008の登場、まさかのRolandによる(ハイブリッドですが)冬に発表されたJD-Xiを伏線としたJD-XAがとどめでしょうか。
これまでもアナログ・シンセサイザーの新製品自体は時折発表されていましたが、殆どが2オクターブ程度の鍵盤を搭載したベース、あるいはダンスミュージック向けの印象が強い製品でした。
対してこれらは普通に演奏できる仕様を持った製品であり、特にArpとProphetはかつてのロックバンドなどでも使用されていた銘器の復活ということもあって、リアルアナログのシンセサイザーが再びこちらのフィールドに来たと考えると楽しいです。

次に、今年上半期にはピアノ音源が相次いで発表されました。
SoniccoutureのThe Hammersmithに端を発し、8dioの1990 Studio Grand Piano及び同Prepared Piano、Impact Sound WorksのPearl、CinesamplesのAbbey Road Classic Upright Pianos、更に未発売ながらSpitfire AudioがHans Zimmer Pianoのリリースを予告しています
面白いのは、殆どの製品がプロフィールの時点で明確な特徴を持っていることです。
Abbey Road StudiosやHans Zimmerの名を冠したものは言うに及ばず、HammersmithはMIDIコントロールされたピアノを録音しているというユニーク性があり、8dioもスタッカート・アーティキュレーションの収録やプリペアド・ピアノ版の存在が特徴になります。
唯一普通の製品はPearlですが、音色へのこだわりやコストパフォーマンス等アピールは充分にありますね。

そして先の7月15日、折しも8dioがブラスのレコーディングを告知して間もない日に二つのブラス音源、Native Instruments/SoundironのSymphony Series Brass CollectionとImpact Sound WorksのBravuraが同時に発表されました。
個人的にはNIとSoundironが組むこともNIやISWがこういう正統派なオーケストラ製品をラインアップすることも想像していなかったので驚いたのですが、どちらもかなり魅力的な製品になっているように思います。
共にオーケストラ・スコアリングに焦点を当てているのは共通ですが、コンセプトには大きな違いがあり、Brass Collectionは収録された教会の響きや豊富なサイズを活かした、より大作感のある内容で、一方のBravuraは同社Rhapsodyと同じく癖のない音質と機能性からなる対応力、コストパフォーマンスの良さが大きなポイントになるかと思います。
音を出した時にパッと魅力を感じるのはBrass Collectionでしょうが、手を出しやすく使いやすいBravuraにも大きな魅力があります。
僕は音楽制作を始めるにあたってあまり高くなくて大抵のことはできるオーケストラ系音源が見当たらないと思っていたので、これは非常にポイント高いです。
ただしそれはストリングスとウッドウィンドまで揃ってこそ。シリーズと銘打っているBrass Collectionは間違いないでしょうが、ISWもこれでパーカッションとブラスを揃えてきたので期待したいところです。
これらに加え話題を先取りした感のある8dio、定評のEast WestやVSL、人気の高いCinesamples、Spitfire Audio、Orchestral Toolsとオーケストラ音源は激戦ですが、どれも独自の魅力があり無視できないものがあります。
だからといって決して安価ではないこれらを複数使い分けられるのは相当リッチな人になりますが……。

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